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2014年6月 9日 (月曜日)

小説・・・阿房航海 横浜大桟橋。

土曜の夕暮れ時に横浜にいる。横浜と言っても横浜駅ではなく観光名所の山下公園である。午後のひと時。海を見に来てみた。山下公園の前は海で今日は風が強いせいで岸壁に近づいてみると波が複雑な波紋を作っていてとても楽しい。
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そして、ベンチに一人座りペットボトルの紅茶を飲みながら考える・・・どうやって帰ろう・・・。

通常の精神の人なら同じ経路で帰る。当然利口な人は躊躇なくそう考える。わたしくの場合なら、みなとみらい線・東急東横線で都内へ。

しかしながら私は阿保である。同じ経路を帰るのは通勤だけで御免こうむりたい。それに今日に限ってお財布にはお金がある。そして時間もある。つまり遊びたい放題なのである。
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ココで活躍するはわたくしの知恵。最近はスマホから簡単に経路検索で無数に経路が自動で出てくる。でも機械に経路を指定されるのは腹が立つ。それに、わたくしの本分としない所だし、プライド高いわたくしは許さない。

山下公園・・・水上バスで横浜駅へ。高速バスで羽田空港へ。路線バスで横浜駅へ。歩いて横浜市営地下鉄の関内駅から上大岡駅経由で京急線。市営地下鉄で大回りして東急東横線の日吉駅へ。色々と頭を駆け巡るけど普通すぎてつまらない。

あっ・・・大桟橋があると気がついた。横浜の大桟橋はクルーズ客船の波止場。でも隠れて定期船も入港して来るはず。

そこで山下公園から歩いて10分。大桟橋に行く。大桟橋旅客ターミナルの中の一隅に東海汽船のカウンターが目に留まる。そこで考えた横浜港を経由する便があるなら東京へ帰る便にも乗船できるのでわぁ。
東海汽船のカウンターで「東京までいけますか?」と尋ねたら。職員が「はい。2等船室で1560円」ですと答えてくれた。これは面白い。普通じゃない。
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定期船で1区間乗船。横浜大桟橋出帆1810予定でも今日は強風で5分遅れて入港するとのことを職員が教えてくれた。

そして、大桟橋で待つこと数十分。乗船する船が横浜ベイブリッジをくぐり抜けて私に近づいてくる。東海汽船所属の「かめりあ丸」が、あっという間に接岸し乗船する。
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横浜港は夕焼けに染まり出し美しい風景を後に横浜港を1815に出帆し、一路。東京へ帰る。
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夕焼けが美しく見えるのは海から見ているかしら・・・などと考えながらデッキから横浜港を見渡すと陸からでは気がつかない風景がわたくしを楽しませてくれる。
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強風にもめげずに全速力で船は東京港に進路をとる。
強風でも揺れは感じない、ただ潮風で髪がたなびくだけ。
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夕暮れ迫る頃に遠くに富士山を見て取れる。不思議な感覚。
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さらに船足を早めて川崎港を過ぎると羽田空港の沖合に来る。飛び交う飛行機を海上から見るのは初めて、手が届きそう。そして無数の飛行機が列をなして着陸をしていく。

羽田沖から夜になりはじめた。夜になれば夜景が綺麗に映えてくる。羽田沖を通過すると大井コンテナふ頭が綺麗。
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そして、東京副都心のお台場が近づいてくる。東京の臨海部で最も賑やかな夜景。

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船は航路最後の名所の東京港の玄関レインボーブリッジが近づいてくると。船内放送で事務職員さんが、その旨を教えてくれる。

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船内の乗船客はデッキに出てきて一斉に写真を撮り始める。そして橋の横には東京タワーそして都心のビルも見えて賑やかさがさらに増す。
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船は船足を抑えて東京港竹芝桟橋に接岸準備を始める。岸壁手前で180度の方向転換をして接岸。
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19:35到着。下船の時に、ふと髪に手をやると髪に潮風が付いている・・・。

さて、下船すれば竹芝桟橋から徒歩10分でJR浜松町駅到着して
山手線に乗れる。有意義なお金の使い方をした。

少なくとも今日、あの時間に横浜の山下公園周辺にいた数万の観光客の中で最高の体験をした1名だと、わたくしは自負できる。素晴らしい!! ブラボー!!

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余韻に浸りながら夜道を1人でJR浜松町駅に向かう。
歩きながら考えた。まだスマホの経路検索には負けはしないと。

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コメント

こんにちは。モモパパです。
写真と文章がマッチした素敵な小説ですね。
阿房シリーズ。
楽しみにしてますよ~。
ちなみに僕。
内田百聞と宮脇俊三の紀行本が大好きです。

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